車や保険を残して借金を整理したい
まず、自己破産や個人再生をしても、今使っている家財道具や家電製品が取られてしまうことはまずありません。
また、任意整理をする場合は、そもそも財産の有無は問題になりません。
自己破産で、財産として扱われるのは換価価値が20万円以上あるものです。
よく問題になるのが、車や保険、退職金見込み額(退職金見込み額の8分の1が20万円以上の場合)などで、20万円以上の換価価値があれば原則として破産管財人が処分することになります。
そういった財産を手元に残したい場合には、個人再生が適しています。
個人再生は、ざっくり言いますと、①100万円、②借金の5分の1の金額、③あなたの財産を換金したと仮定した場合の金額、この3つのうち一番高い金額を3年から5年の分割で支払う方法です。
ケースⅠ
借金が600万円、車が50万円である場合
- ① 100万円
- ② 借金の5分の1=120万円
- ③ 財産換金仮定額=50万円
3つのうち、一番高額な120万円が個人再生の返済額になりますので、借金を120万円まで減額できます。
車は手元に残せます。
ケースⅡ
借金が600万円、車が70万円、保険の解約返戻金見込み額が70万円ある場合
- ① 100万円
- ② 借金の5分の1=120万円
- ③ 財産換金仮定額=140万円(70万円+70万円)
3つのうち、一番高額な140万円が個人再生の返済額になりますので、借金を140万円まで減額できます。
車と保険は手元に残せます。
このように個人再生では、自己破産の場合より多くの財産を手元に残すことができます。
但し、個人再生は、継続的収入のある方しか申立てできないなど、詳細な要件がありますので、弁護士に相談されることをお勧めします。