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2回目の自己破産はできる? できる場合できない場合とその注意点

過去に1度自己破産をしたけれど、残念ながら再度借金を負ってしまう方がいらっしゃいます。そのような場合、2回目の自己破産は可能なのでしょうか。

今回は、2回目の自己破産ができる場合、できない場合とその注意点を解説いたします。

 

2回目の自己破産ができない場合

年以内の自己破産

前回の自己破産(正確には免責決定確定日)から7年以内ですと、2回目の自己破産は非常に困難です。

破産法252110号により、7年以内の自己破産は「免責不許可事由」に該当するからです。

 

ただし、免責不許可事由があっても裁量免責が認められることもあります。裁量免責とは、やむを得ない事情があるため、裁判所が裁量で免責を認めることです。

ギャンブルや浪費も免責不許可事由に当たりますが、これらの場合の裁量免責はきちんと反省して生活の立て直しをしていれば比較的認められやすい傾向があります。

 

しかし、7年以内の自己破産については、裁量免責はかなりハードルが高い印象です。私の過去24年間の経験で、7年以内の自己破産で免責が認められたケースは1件だけです。そのくらい難しいと考えていただいた方がよろしいかと思います。

 

1回目とまったく同様の事情での自己破産

自己破産をするときにはもう二度と同じようなことはしない、ということを約束することになります。

それにもかかわらずまったく同じ事情で借金を負った場合には、2回目の自己破産はかなり難しくなります

例えば、1回目の自己破産の原因がギャンブルで、2回目もギャンブルというような場合です。特に浪費やギャンブルの場合は自己破産以外の方法を検討した方がよいでしょう

 

逆に言えば、1回目はギャンブルが原因だったけれど、今回は子供の教育費が原因であるというケース、1回目は親の借金の肩代わりが原因だったけれど、今回は失業による収入減少が原因であるというケースなどは、2回目であってもさほど問題なく自己破産が認められる可能性が高いと言えるでしょう。

 

2回目の自己破産ができない場合の解決法

まず、裁量免責が可能かどうか、弁護士とよく相談する必要があります。

その上で裁量免責は難しいと判断した場合には、任意整理か個人再生を検討することになります。

 

任意整理は、借金を3年から5年かけて分割で支払う方法です。裁判所を通す手続きではありませんので、過去の自己破産は問題になりません。ただ、借金の元金は減りませんので、毎月の返済額が支払い可能な金額かどうかを吟味する必要があります。

任意整理について詳しくはこちら

 

個人再生は、裁判所に申し立てをし、おおよそ借金を5分の1または財産をすべて換金したと仮定した場合の金額までに減額してもらう方法です。個人再生については詳細な要件がありますが、それを満たすことができれば、過去に自己破産したことはさほど大きな問題になりません。

自己破産ができない場合や自己破産をしたくない場合には、有益な選択肢といえるでしょう。

個人再生について詳しくはこちら

 

2回目の自己破産の注意点

年以内の破産ではなく、かつ、事情も1回目とは異なっている場合には、2回目の自己破産を検討することになります。

その場合にも注意点があります。

 

きちんと原因を振り返り、生活を立て直すこと

本来、自己破産はしない方がよい手続きです。

それを2回もしなくてはいけなくなったわけですから、原因をきちんと振り返り、反省をしていただくことが必要です。

そして、今度こそ再び借金を負うことがないように生活を立て直すことが大切です。

 

裁判所に事情を丁寧に説明し、反省の気持ちを理解してもらうこと

裁判所は、2回目の破産であっても、やむを得ない事情があり、反省の気持ちをもって生活を立て直す意思のある方については免責を許可してくれます。

裁判所に理解をしてもらえるよう、丁寧に事情を説明し、反省の気持ちを表す必要があります。場合によっては、反省文を作成していただくこともあります。

要するに、丁寧に申し立ての準備をすることで、裁判所の理解を得られやすくなるのです。

 

管財事件になる可能性が高いこと

回目の自己破産の場合、ご本人への生活指導や免責調査のために破産管財事件になる可能性が高くなります

 

通常の破産事件と同様に一定以上の価値のある財産が処分されるのと同時に、2回目の方に対しては生活指導が比較的厳しくされます。毎月家計簿をつけて管財人に提出したり、複数回管財人面接が設けられたりすることもあります。

 

破産管財人は、このような指導の結果を受けて、裁判所に免責を許可することが相当かどうかを意見する立場にありますので、管財人の指導に従うことで、免責を許可してもらうことが可能になります

破産管財人について詳しくはこちら

 

もっとも、2回目の方が全員、管財事件になるわけではありません。

前回の破産から相当程度年数が経っていて、かつ、破産の原因が浪費やギャンブルなどではなく、やむを得ない事情である方は、初めての破産の方と同様に同時廃止事件(簡単な自己破産事件)として受理してもらえることも多くあります。

 

この場合にも、裁判所にそのあたりの事情を理解してもらえるよう、丁寧に準備をして申し立てることが重要です。

 

まとめ

過去に破産をし、再び借金を負ってしまった場合にも、解決策があることがほとんどです

きちんと原因を振り返って真摯に反省をし、生活の立て直しをしていただければ、2回目の自己破産も不可能ではありませんし、個人再生などのほかの選択肢もあります。

 

大切なのは、どうにもならない状態を放置しないことです

当事務所では、以前に破産をしたことのある方のご相談も数多くお受けしております。回目の自己破産についても豊富な実績がございますので、諦めずにどうぞご相談ください

この記事の監修者

新井 聡子弁護士 (神奈川県弁護士会所属)

SATOKO ARAI

当事務所では、相続、離婚などの家事事件、多重債務問題、児童虐待問題を中心とした子どもの福祉に関する問題を主にお受けしております。みなさまに来ていただき、お話しいただき、そしてほっとしていただける場所となることを目指して、心を込めて丁寧に対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。

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