給料差押えがされたらどうなるの?そのデメリットと対処法
任意整理個人再生法人破産自己破産給料差押えとは、判決を得た債権者が裁判所に申し立てをし、裁判所からあなたの勤務先に差押命令が直接送付され、給料の一部(原則として給料の4分の1)が勤務先から債権者に直接支払われる手続きです。
目次
給料差押えまでの流れ
返済の遅れ
債権者が給料差押えをするには、事前に裁判をして判決を得ているか、公正証書を作成している必要があります。ですので、返済が1、2回遅れたくらいで、いきなり給料差押えをされることは通常考えられません。
催告書が届く
借金の返済が2、3カ月程度滞ると、債権者から催告書が届くようになります。催告書というのは、いついつまでと期限を定めて借金を一括で支払うよう請求する書面です。この催告書を放置してしまうと裁判などの手続きに進んでしまうので、この書面が来たら、債権者と返済についてきちんと話し合うことが重要です。もしくは、この段階で今後の支払いは難しいと感じておられたら、ぜひ弁護士にご相談ください。この段階であれば、弁護士に委任したことで、その次の裁判手続きをとらない債権者もいます。
訴訟または支払督促
催告を受けた後も滞納が続いた場合には、訴訟または支払督促という法的手続きに踏み切る債権者が出てきます。必ずしもすべての債権者が催告後ただちに法的手続きに踏み切るわけではありませんが、いつ訴訟をされてもおかしくない状態となります。
債権者から訴訟を起こされると、あなたのところに訴状が裁判所から届きます。支払督促の場合には支払督促という書面が裁判所から届きます。通常、裁判所から書面が届くという体験はほとんどの方はしたことがないので、驚かれると思いますが、ここで放置すると次こそ給料差押えが可能になりますので、こういった書面が届いたときには速やかに相談されることをお勧めいたします。
訴訟ないし支払督促が起こされても、すぐに判決等がでるわけではなく、1~2カ月ほど時間がかかります。
そして、判決が出てそれが確定するといよいよ給料差押えが可能となります。
差押えられる金額は?
給料差押えといっても、給料全額がとられてしまうわけではありません。
原則として手取り給料の4分の1が差し押さえられて、勤務先から債権者に直接支払われることになります。それが、借金と裁判手続き費用の合計額になるまで、毎月繰り返されることになります。借金の金額が多ければ、その分差押えがされる期間も長くなります。
4分の1とは言っても、手取り額が今までより大幅に減ってしまうわけですから、生活費やそのほかの支払いに困るようになることは間違いありません。
会社に知られてしまう、迷惑をかけてしまう
給料差押えがされると、裁判所から勤務先に差押命令が直接届きます。これにより、勤務先にあなたが借金を支払えない状態であることが知られてしまいます。
また、手取り給料の4分の1を計算して、勤務先から債権者に送金してもらうという手間を勤務先にかけてしまうことにもなります。
事前に給料差押えを予防する方法
債権者と話し合う
まず、支払いが遅れた時には、債権者と支払い方法について話し合うことが重要です。返済をすると言っている債務者に、いきなり給料差押えをしてくることは通常ありません。
しかし、あなたが支払えない内容の約束を安易にしてはいけません。いずれ支払えなくなってしまうのであれば、結局同じことになるからです。
債務整理を弁護士に委任する
債権者と話し合っても、支払っていくことが難しい場合には、弁護士に債務整理を委任することをお勧めいたします。弁護士に債務整理を委任した時点で、督促と返済が止まりますので、生活の立て直しが可能になりますし、多くの債権者は裁判や給料差押えをせずに、債務整理手続きをある程度待ってくれます。ただ、一部の債権者は弁護士に委任後間もない時期に裁判をしてくることがありますので、注意は必要です。
給料差押えを止める方法
残念ながら、全額返済するか退職する以外に、すでに始まってしまった給料差押えをすぐに止める方法はありません。
この時点でできる最善の策は、できるだけ速やかに自己破産または個人再生の申し立てをすることです。もっとも、自己破産または個人再生の申し立てをしても、当然には給料差押えは止まらず、手続き開始後に差し押さえられた金額が手続き終了後に返還されるだけです。ただし、破産管財事件の場合は、管財人が就任した時点で差し押さえが止まります。
まとめ
以上の通り、債権者から訴訟または支払い督促を起こされる段階になると、給料差押えまで時間がありません。ですので、やはり滞納状態になってしまう前に、債務整理に詳しい弁護士に相談されることをお勧めいたします。
訴訟または給料差押えがされてしまったら、できるだけ早く自己破産または個人再生を申し立てることで、差押さえでとられてしまう金額を抑えることが重要です。自己破産や個人再生の実績経験のある弁護士に、速やかに対応してもらいましょう。
おそらくここまで手続きが進んでしまっている方は、ほかにも借金があり、支払えない状況になっている方が多いと思います。どんな状況にあっても、借金問題はなんらかの解決策が見つかることがほとんどです。諦めずにぜひ弁護士にご相談ください。
当事務所では、相続、離婚などの家事事件、多重債務問題、児童虐待問題を中心とした子どもの福祉に関する問題を主にお受けしております。みなさまに来ていただき、お話しいただき、そしてほっとしていただける場所となることを目指して、心を込めて丁寧に対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。